中島早貴と一緒にプリンを食べたい。

ステージ上の中島早貴があまりにキラキラしているもんだから、間近で見ているとどうしてもたじろぐ。たじろぎつつも、否応なくそのアイドル性に浴することのできる僥倖の中で、僕はやはりなっきーを凝視することになった。
僕はなっきーを好きな理由をはっきりさせることができた。その、表情なのだ。
先月福岡の握手会で、僕は有原栞菜に「困った顔して」とお願いしたのだが、違った。そうじゃない、困った顔をさせるべきはなっきーだった。
笑顔に潜む憂鬱。「ただの笑顔」じゃない。キラキラしているなっきーは確かに笑顔なのだが、その笑顔には人格がともなっている、そんな気がする。僕はそこに人間を感じる。だからといって「人間らしい」からなっきーがすきだ、ということではないのだ。なっきーだから好きなのだ。虚実入り混じるアイドルは、それぞれのアイドルによって「虚構寄り」「現実寄り」というポジションがある。なっきーは現実寄りなのだ。そう確信した。言葉にしづらいが、その「現実―虚構」の直線のうちの現実寄りのある一点で、なっきーがなっきーなりに絶妙のバランスでアイドルとして確立している、という感覚がある。
過去の一推し、矢口は現実寄りだった。辻は虚構寄りだった。
なっきーと矢口は似ている。「頭がいいキャラ」、そして「しゃべれる」という点で似ている。アイドルが自らを映す鏡であるとするならば、僕は僕で自分のことを頭がいいと思いたいらしい。いずれにしても、なんとなく、似ている相手を好きになってしまうもんなんだなあ、と苦笑いしたいような。

なっきーは他のメンバーが歌っているとき、誰よりも大きく開けたそのアヒル口で歌詞をかたちづくる。
なっきーは首をカタカタ振って笑う時がかわいい。
あ、そうだ、ちょうど、プリンとかさ、ゼリーとかをスプーンですくって口に入れて、おいしーって目をつぶって首を振るしぐさこそなっきーにふさわしい。CMに出してもいいくらい。とりあえず、なっきーと一緒にプリンを食べたい。