℃-ute=娘。論

あらためて当然の議論を確認しておく。℃-ute=娘。論についてである。
モーニング娘。℃-uteの共通点は大きく3つ。
①落選組の寄せ集めによる結成であるということ
娘。はオーディション落選組、℃-uteBerryz工房に選ばれなかったキッズ、という、選ばれた当初はそのグループである必然性、根拠を欠いた存在として揺らいでいた両グループ。ファンの後押し、そして成長という物語によってグループのアイデンティティが獲得されていく、という過程をとる。℃-ute結成、インディーズ、村上脱退、メジャーデビューそしてツアーをずっと見守ってきた初期ヲタにとって、℃-uteというグループはもはや代替不可能。
②楽曲の世界観
このテーマだけでもとうとうと語ることが出来るが、娘。と℃-uteの多くの楽曲の歌詞は、(時に恋を描くと見せかけて)普遍的な愛へ持っていく、という構造が顕著である(℃-uteにおいてはJUMPなど)。少なくとも、Berryz工房のような(大人・社会に反発するような)閉じた恋愛観はない。
③メンバーの上下差
娘。では中澤裕子辻加護ラインが最強だった。普通アイドルグループは同年代の女の子を集めるわけで(つーかアイドルである歳が限られるのだから当たり前だ)、横のライン、つまり同級生としてのイメージが喚起されるのが普通だ。だからこそ、娘。の縦ラインが代替不可能性を帯びる(歌詞の普遍性も、こうした世代の違うメンバーがいることにおいて説得性が増しているのかも、と今思った)。
℃-uteにおいては、矢島舞美萩原舞の縦ライン。そして、梅田の身長。この縦ラインが見えてこそ、メンバー間の人間関係が立体的に見えて面白いのだ。ただ単に同級生の仲がいい悪いに終始しない物語になる。
Berryz工房のメンバー間の学年差は最大3。℃-uteは4。大して違わないはずなのに、イメージの差は大きい。僕の個人的な印象でしかないのかもしれないが、Berryz工房のメンバー間の年齢差を僕は感じない。そこが二つのグループの大きな差となっているという気がしている。
(④メンバーの加入と脱退)
いちおう。加入も脱退も経験したグループという点でも娘。と℃-uteは共通している。


以上の点で、僕は今の℃-uteは昔の娘。だ、と思う。2001年あたりの黄金期を℃-uteに見る。ただもちろんそんな、「代わり」としてではなく、℃-ute℃-uteとしての輝きを見せている。℃-uteにとっての、「僕らの輝き」を余すところなく見せてくれているのが愛しい。