恋しないパフェ

アイドルには、人格的なアイドルと、非人格的なアイドルがいる、と思っている。
それは全く優劣の話ではなくて、アイドルのタイプの違いだ。


10月5日、ジョナサンで「キャラメルとさつまいものパフェ」(567円)を食べた。
内容物はカラメルソース、カスタードクリーム、ソフトクリーム、コーンフレーク、クッキー、ブラウニー、カラメルさつまいも、生クリーム、キャラメルアイス、コーヒーゼリー
このお値段で考えると、すばらしいパフェだった。

全体的に茶色いパフェだ。色鮮やかなフルーツ系のパフェと比べ、当然華やかさには欠ける。しかしこのパフェ、非常に調和がとれている。ソフトクリームやアイスの冷たさよりも、結果的には温かみを感じるパフェであった。フルーツ系パフェでは調和を乱しがちなコーンフレークも、カラメルの苦味とはマッチする。
さつまいもを中心として、秋を見事に演出してくれた温かみ溢れるパフェ。いままでフルーツ系パフェからは感じたことのない人格性を感じた。フルーツ系パフェは基本的に果実の甘みと冷たさに恋するパフェだが、このパフェはもっと人格的に成熟した愛あるパフェだ。それは、アイドルに恋することよりも、アイドル現場の温かい雰囲気に身を委ねるようになったベテランのアイドルファンの心理に近いかもしれない。



11月15日、西村フルーツパーラーで「ラ・フランスのパフェ」(1100円)を食べた。
西村フルーツパーラーのパフェは構造がほぼ一定である。第1層に果実と生クリーム、第2層にシャーベットやバニラアイス、第3層にゼリーと果実というつくりだ。余計なコーンフレークなどなく、一定の調和のもとで、満足のいくパフェが食べられる。最高のパフェとは言わないが、この質のパフェがこの値段で渋谷で食べられることはすばらしい。スタンプカードがこの日全部うまったのだが、つまり1万円分パフェを食べたことになる(一度一緒に食べた友人の分も含む)。
この日は季節のパフェとして、「ラ・フランスのパフェ」を選択。これもまた見た目が派手とは言えないが、美しいパフェである。

ラ・フランスは見た目の大人しさを裏切って、普通の梨に比べ濃厚な風味が加わっている。アイドルで言えばバニラビーンズか。見た目の美しさの奥に大人の色気を含んでいる。
フルーツ系のパフェを食べた時には、胸がときめくことが多いのだが、それよりは落ち着いてパフェを食すという体験だった。