m's秋葉原店

続いて、秋葉原駅前、大人のデパート「m's」秋葉原店に行く。最近の流れとして、性のカジュアル化というのがあると思われる。その象徴として、「テンガ」をはじめとする性にまつわるグッズのデザインのポップ化があると思うが、この店も敷居が低いというか、(実質そうではないにしても)誰にでも入れる雰囲気を外観としては醸している。実際、外国人、若いカップル、若い女性数人など、子供を除く幅広い客層をなしていた。
まず主要目的であるところの6階のラブドール展示を見に行く。ラブドールのカタログと、ガラスケースの中に6〜7体ほどのラブドールがポーズを決めている。リアルを追求したタイプの人形と、リアルではない理想を追求した人形がいる模様。紹介ビデオを見て思うが、日本の技術力の高さと飽くなき探究心は尊敬に値する。というわけで以下の展覧会にも期待。
「人造乙女博覧会 II」http://www.vanilla-gallery.com/gallery/lovedoll/lovedoll2.html



しばらくラブドールを眺めていたら、60過ぎのおじさんが上ってきて、しげしげとある人形を見つめながら「50万かぁ〜…」と悩み始めた。5分ほどずっと、ぶつぶつつぶやいて悩んで、そのあとあきらめたのか、下に降りていった。そばには20万円台の人形もあるのだ。だけど、その人にとっては50万の、ある人形こそがすべてなのだ。そのこだわりを捨ててはなるまいと思う。そうであるならば、もしかすると、「エロマンガは近親相姦でなければダメだ」と思う人がいるかもしれない。それも道理である。そうした人のこだわり、もはや厳然と不合理であるところのそれを無下に否定し去ることの愚かさもまた思う。
下のフロアに降りながら、様々なグッズやらを眺めてみる。単純に、見て回るのは楽しい。SMだろうがコスプレだろうが、いろいろな責め具だろうが、一方で先鋭化するようで、また一方でそれが万人に開かれているようで、なんだか面白い。想像力をバカにしてはいけない。