現代エロマンガ

秋葉原駅近くの書店で、エロマンガの立ち読みをする。正直、エロマンガについて全く知らない。だが、いま、「エロマンガ・スタディーズ」を読み始めたので、興味がある。

エロマンガ・スタディーズ―「快楽装置」としての漫画入門

エロマンガ・スタディーズ―「快楽装置」としての漫画入門

多種多様なエロマンガが試し読みできるようになっていたので読んでみる。いろいろなジャンルをつまみ食いしてみたが、印象としては、どうしてもエロを中心に据えると、ストーリー展開が急になってしまうのかな、ということだった(しかしそれは一面的な印象ではあろうと思う)。
ふたなり、同性愛、近親相姦…なるほど、しかし圧倒的な性行為の強度の前に、そうしたジャンルの違いというのは、問題になるのだろうか、という気もする。しかしながら一方で、たとえ脱がすとしても、その前にコスプレをさせる重要性、というのも分かる。あるいはまた、エロマンガは「性欲の処理」の効率化が問題なのだろうか、それとも、エロマンガという趣味や主義の問題なのだろうか。ほとんどお化けに近いような女性の身体(まあ特にその形状が多様性を持つのは胸だが)に対して、単なる性的な興奮という目的以上の、表現の可能性への賭けがないだろうか。
ともあれ、エロマンガ全体の熱気と、あと客の熱気に圧倒される。あと驚いたのは、表現の規制で性器に黒線が入れられているのだが、エクスキューズとして入っているだけで、実質性器は露わに表現されているという実態を目の当たりにしたことだ。あーそうなんだ。たしかにこれを見る人が見たら、とんでもない、と思うだろう。