嗣永桃子写真集『momo』

Berryz工房の見方を僕はほとんど知らない。
けれども、嗣永桃子のすばらしさは昨年知った。http://d.hatena.ne.jp/onoya/20061112/1163356165
ももちが写真集を出すという。
ワニブックスでの紹介文よりも、公式HPのほうが、若干気合が入っている。


『2007年3月3日に結成3周年を迎え、4月には初の単独・さいたまスーパーアリーナコンサートを成功させたBerryz工房
その中でも、ももちの愛称で人気の嗣永桃子が初のソロ写真集をリリース。今作は彼女らしい、乙女チックなキャラクターが炸裂! シチュエーション、衣装ともに、桃子の夢の世界を再現。お嬢様風の装いでお花に囲まれたり、プールで元気にはしゃぐ様子や、プリンセス・モモとしてピンクの世界に入ってしまったり……? いろんな表情がのぞける一冊に仕上がりました。また高校生らしい、健康的で愛らしい笑顔にファンならずとも癒されること間違いなし。その上、嗣永桃子にしか表現できない“おちゃめ”で“ぶりぶり”な世界観が、存分に楽しめます。 』(公式HPより)


「夢の世界」、「プリンセス・モモとしてピンクの世界に入ってしまったり…」、「“おちゃめ”で“ぶりぶり”な世界観」…。
どうやら、「わかっている」写真集になりそうです(道重もこういう方面であるべきだと思ったのだが)。各所で指摘されているように、「水着」の語がないということが決定的に重要である。水着写真があるかどうかではなく、それを売りにはしないぞ、という姿勢が重要である。
僕はこの写真集に大いに期待を寄せるし、これがハロープロジェクトの教科書的な意味合いを帯びてくれることを望む。推しでなかったとしても買う価値がある、というほどのヲタ内部での普遍性を持ったものであってほしいと望む。嗣永は物語を紡げる。水着などという代替可能な消費財が産み出す貧困なイメージではなくて、少なくとも3年という歴史性くらいは帯びた虚構の世界観を描けるはずだ。「モモ」と言えば、灰色の男達から時間を取り戻す少女のことなのだが、「momo」も我々ヲタの単調な灰色の日常をピンク色に染めて、濃密な時間を取り戻してくれることだろう。
それどころか。僕は「momo」がもっともっと普遍性を持ってるんではないかという夢さえ持ってしまう。孫子の兵法がビジネス書として読まれるがごとく、「momo」を人生を成功させるための自己啓発書として読む、なんてことがありうるんじゃないのか、なんていう夢物語。勢いに乗った嗣永プロが、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」に出ちゃったりしたら、最高じゃないですか。