アイドルになるような人間

きらりん☆レボリューションを見たことがない。一回見てみようと思う。アテレコをやってみせただけで、そう思わせる久住ってのはすごいんだと思う。
アイドルになりたての久住が、アイドルを目指すアニメキャラの声を演じるってのが面白いわけだが、バラライカの歌詞にもアイドルってものについて考えさせられる部分があって興味深い。
「何もかもが新しい世界にきちゃったわ」
これって、本当にそうだなあと想ってしまうのだ。
そもそも何も知らないような子供が、欲望渦巻く世界に放り込まれて、常に笑顔を絶やさず生きていくことの困難ってのはどれほどのものだろう。おそらく、その困難を超えるほどの「欲望」「意志」を持ったものがアイドルになれるような人間だと思うのだ。ヲタの欲望に晒されるアイドルだが、アイドル自身の自己顕示欲であったり、恋愛に関しての欲望であったりってのは少なくともヲタ並には強いはずだ。
そんなアイドルが、いやここでは℃-uteのことを特に念頭においてしまうが、「大きな愛でもてなして」とか「即抱きしめて」で、「すごいよ〜すごいわ〜」とか歌っておいて、プライベートでの欲望の充足は全くままならないというバランスの悪さってのはあまりにも過酷である。少しでもボロを出そうものなら全世界に発信されるという恐怖。何度も何度もアイドルに関するこの事実ってのを確認しておくべきである。ライブで「キラキラ冬のシャイニーG」を聞いたときに、その歌詞に戦慄を覚えた。正確じゃないけれど、ちょっと思い出してみる。
『視聴率常に100% 一挙一動見逃さないでね
大人みたいな恋をしたいけど なんだか少しこわい』…みたいな感じだったと思う。
アイドルの自己顕示欲は、ライブにおいて視聴率100%だったら満たされるだろう。でも実際は、プライベートまで視聴率100%なんじゃねえか、みたいな。そんな監視状態の中で、大人みたいな恋はできない、って、なんて辛すぎる歌詞なんだ。そしてそれを歌ってるのが田中なんだ。アイドルアイドルしながらそんな歌詞を歌ってるのが田中なんだ。僕はなんだか、「すげー」と思うしかなかった。圧倒される。すげー世界だ。