5/7モーニング娘。ライブ感想&「ヘンリー・ダーガー展」(ヴィヴィアン・ガールズ)感想

5月11日配信分のUstream録画のリンクを貼ります。
http://www.ustream.tv/recorded/14630220


前半はモーニング娘。ライブの感想。9期メンバーの入ったモーニング娘。ライブはお勧めです。


後半(21:30頃より)原宿ラフォーレミュージアムヘンリー・ダーガー展」の感想。特にダーガーの作品内に登場するヴィヴィアン・ガールズについて、「アイドル」との類似性を指摘しています。「ヘンリー・ダーガー」は自室にて80歳まで孤独に、誰に見せるつもりもなく創作活動をしていた、アウトサイダーアートの代表的存在とされる人物です。彼の作品「非現実の王国で」は架空の戦争を描いたものだが、そこで出てくるヴィヴィアン・ガールズという少女たちと「アイドル」との関連について述べました。なお、ヘンリー・ダーガーについては斎藤環戦闘美少女の精神分析」も参照のこと。
結論めいたことを書いてしまいますが、ヴィヴィアン・ガールズと「アイドル」との類似点は以下の通り。



1.理想的な少女(女性)像である点
ヴィヴィアン・ガールズは年をとらない5〜7才の少女。人間離れした善良さをそなえる。敵に何度もつかまったり、至近距離から攻撃を受けるが、基本的に傷を負わない。



2.その対象に同一化したいという欲望が見られる点
ヴィヴィアン・ガールズはしばしば裸なのだが、下半身にはペニスがついている。ダーガーがもし女性の裸を知っていて、わざとペニスをつけたのだとするなら、一つの解釈としてダーガーが少女と同一化したいという欲望を持っていたのではと考えることはできそうである。
ちなみに女性アイドルのファンである男性の一部は、女性アイドルと同一化したいという欲望を抱くことがある。これは卒論執筆時に当時のモーニング娘。ファンに対して行ったインタビューでも話題になったし、自分の経験からもそう思う。



3.性的な欲望の対象となる点
ヴィヴィアン・ガールズを助ける「ブレンゲン」という怪獣が登場するのだが、その設定が興味深い。
「喉の奥に、綺麗な色の、針のような器官を隠し持ち、その先から甘い香りの液体を放出し、ヴィヴィアン・ガールズをよみがえらせるのだ!」(展覧会での説明書きの文言より)
これは男性器だろ!と思う。ブレンゲンをダーガーの分身と考えるなら、ヴィヴィアン・ガールズはダーガーの性的欲望の対象だったと考えられる。


以上、ヴィヴィアン・ガールズは、理想像であり、同一化の対象であり、時に性的欲望の対象ともなる点においてアイドルと類似点を持つと言えそうです。その他いろいろしゃべりましたが、詳しくはUstをご視聴ください。
ヘンリー・ダーガー展」は5月15日まで。お勧めです。