2010ハロプロエッグ ノリメンLIVE2月

代々木の山野ホールに初めて行く。セットリストにひかれて。


行って初めて知ったが、前半分の席の客は座ったまま。ノリのいい曲が多いだけに、それは残念。
今回はエッグメンがソロで曲を歌うというのが売り、というか、まあ怖いところだった。



「好きすぎてバカみたい」北原
いい選曲。この人はへそやら肢体を極力露わにしたほうがいいように思われる。



「ブギートレイン'03」佐保
なんかこの方、あか抜けたな、という印象。以前のしゅごキャラエッグでは、まだなんだかさえない感じもあったが、立派。



「黄色いお空でBOOM BOOM BOOM」西念
ハロヲタが試される瞬間。西念が、飛ぶ。「ブンブンブン〜♪」と飛ぶ。ステージの上に、視線の逃げ場となるバックダンサーすらいないこの状況で、ヲタは西念と対峙することを余儀なくされる。
やっぱり、西念は保田だなあと思う。黄色5という選曲自体が、西念は保田です、と言っているようである。いやまあ、正直、保田より能力はないと思っている。ただ、西念の最大の武器は、憎めなさである。彼女に悪気はないのだから、乗ってやるか、しょうがない。そういうヲタの100人に一人くらいは、ほんとうに西念にはまるだろう。それがハロー現場の面白いところだと思う。保田・ゆきどん的なものに対するリテラシーが、ハロヲタ界隈にはしっかりと根付いている。それによって会場の空気を作っていけるヲタの力も、小さい会場であるからなおさら感じる。ちょっと言い過ぎると、そういうところで会場の雰囲気にコクが出るというのか、単一の、単調な雰囲気ではなくなる。それがぼくにはなんともいいものだ。



「オシャレ」吉川
西念が、スイカにかける塩のような役割を果たして(これはいい意味で)、吉川が際立ってよく見えた。この人は確かに、しっかり売り出すべきように思う。



スマイレージの曲によるイメージ付けは、今のところうまく行っているように思える。メンバーバランスも面白い、特にかにょんをリーダーにもしないし、センターにもしないで、実質3番手くらいにおいておくのは正解だと思う。
古きよき時代のタンポポのかわいさと、「スキちゃん」の「だいすき!」、「オトナになるって難しい!!!」の「わくわくわくわく」など、ヲタの証明となる合いの手も絶妙に準備されていて、ぼくはなんとはなしに2001〜2002年あたりのライブのノリを思い出すのだ。



「ね〜え?」竹内
この曲を座って見ているのはなんとももどかしい。上半身だけで必死に動く。
竹内朱莉(12歳)は普通の子だ。ただ、なんでもない、普通の子だ。だが、それがいい



「線香花火」森
なんとも森咲樹に似合わしい曲で、驚いた。この人、自分は顔の好みが合わないけど、能力あるんだろうなあ。



僕らの輝き」仙石
仙石さんは、歌がどうというよりも、MC時に、その物腰、首の揺れ方などのひとつひとつの動きに妖艶さが伴っていてよい。



スクランブル」古川
ここでも、着席はつらい。スクランブルは、ヲタ芸華やかなりし頃の名曲で、いまでも体が反応してしまう。




どこかのMCで、新しくエッグに正式に加入した田辺奈菜美(10歳)が挨拶をした。こういうかたちでアイドルという棘の道を可憐に踏み出そうとするいたいけな少女に対して、毎度申し訳ないような、ほほえましいような、複雑な気分になる。そういえば、前述のこやまけんいちの個展で、「おじさん」が同じ部屋の中にいる少女を望遠鏡で見る立体作品があったが(上のリンク先で画像が見られる)、我々もそんな感じだろうか。同じ会場にいる少女を、必死で双眼鏡で見る(ぼくはその日は双眼鏡は持っていなかったけど)。この作品に関して、2つの視線を仮に措定してみよう。ここで「おじさん」と同一化し、「おじさん」視点になるならば、少女の身体を細かに見ようとすることへの羞恥の感情が起こるかもしれない。しかし、少女もおじさんも含めて、これをひとつの作品として見るならば、そうした感情は起きない。
これを対アイドル関係に移しかえれば、「ヲタ→少女」という構図で見るなら、自分は罪悪感だとか、羞恥を感じるのだが、「視線→(ヲタ・少女)」というように、それ全体をひとつのアイドル現象として捉える(ヲタと少女の相互的関係がアイドル現象を作り上げていると見なす)ならば、何も問題はないと思える。
そうした、アイドルだけでなく、ヲタ自らの身体性にも思いをはせながら、なんとなくファンクラブの継続手続きをしてしまう。