○をつけていきましょう。

子供向けの歌は、しばしば言語の身体性に着目している。
それは子供が言語の記号性にまだついてこれないからで、言語の身体性を扱うことで子供に親しみを持たせながら国語教育をしているんだ、多分。だから子供向けの歌は言葉遊びをするし、擬態語・擬音語を多用したりする。

さて、月島きらりのアルバム曲「こんにちぱ〜」である。
「は行」の言葉に全て○をつけて「ぱ行」ばっかりで歌う曲だ。子供にとっては「ぱ行
」が一番ポップで(ポップという言葉自体も「ぱ行」の身体性を被っている)、言葉遊びをするなら「ぱ行」こそふさわしい。
「○をつけたらあら不思議 なんでも楽しく見えてくる」というわけで、小春のはじけっぷりがヲタ界隈でも絶賛(?)されているわけだが、実際子供に受けるものと、ヲタに受けるものってのは重なることも多い。要は祭の要素があるかってことだと思うのだが、祭ってのは無秩序なのだ。
この曲が決して一筋縄なものではないというのは、以下の歌詞ではっきりする。
「緑を守ろう 自然ぽご」
…ぽご。茶化している。全てかしこまった世界を相対化し、無秩序の中へ入れ込んでいく○の力の暴力性。だけど、○をつけていったら、「きっと楽しくなってくる」。そうそう、「モーニング娘。」も、○をつけて楽しくなっていったグループなのだし、℃-uteもやっぱり○をつけられたグループなのだ。来年も楽しく行きましょう。
ところで、ベリーズ工房だけ○がない。多分そのせいで僕はベリが好きじゃないのだ。でも、「ペリーズコウポウ」では力が抜けてしまうし、「ギュード」もアイドルの名じゃない。名付けの重要性を感じる。まさに名は体を表すのだ。
○をつけていきましょう。ポジティブに、決して「×たま」になんかならないように。