モーニング娘。新メンバーに関して、つんく♂より皆様へのお知らせ。

http://www.helloproject.com/newslist/shinmember_0703151946.html
予想される可能性のひとつではあった。
僕は、こういうのはどうかと思うのだ。娘。とかハローには、日本という枠があったと思うのだ。もちろん過去、ココナッツ娘。をいい例として外国人がハロプロに在籍することはあったけれども、初期美勇伝だとか、昨年の娘。の「レインボー7」を見ても、「日本」という確固たる枠があった。その方針を変えるのかと。裏切りではないかと。「僕らが生きるMY ASIA」というのもネタにすべきものだろうと。あくまで前提としての日本という枠あってのものだろうと。
例えばビジネス的な側面からものを申す人もいて、日本の市場はもう限界があるから、アジアの広い市場に打って出るべきだ、とか、いらんのですよ、そんな言説は要らんのですよ。僕は2年前の経験で分かったのだ。ただ評論家然として、距離あるところからのみしゃべりだしたらヲタは終わりだと。
というわけで、春ツアーが日本人で構成する娘。最期のツアーということで、否が応にも熱は高まるばかり…って、完全に手玉にとられる構図。
僕はここでもヲタが試されている気がしていて、「結局あなたは、アイドルがかわいけりゃいいのですか、そうじゃないのですか?」という問いを突きつけられているんだと思うのだ。僕は徹底的に後者です(たぶん)。ただ、かわいければいい、という立場でなくても楽しみ方はさまざまありそうである。日本×中国ということで、スケールのでかい物語は紡げる。まずは、中国人ということでどれだけヲタの拒絶反応が起きるかに注目したいものだ、って、評論家然としてるぞ自分。
さっき「方針の転換」かのように書いたけれど、逆につんくの考えは一本筋が通っているという見方もできる。「ラブマ」で「日本の未来」について語り、「恋レボ」で「地球」に言及し、「ザ☆ピース!」で「地球の歴史」と「平和」について語ったつんくなのだ。日本から世界へ。当初からの計画通りではないか。まずは比較的受け入れられやすいアジアから。音楽で、つーか、ヲタヲタしい世界を推し広げて、世界を平和に!アイドルを前にして、すべての世界人類は平等である!と。YouTubeで世界のヲタ芸とコスプレと振りコピを見ていると、世界平和も夢じゃない?なんて夢も見てしまうよ。
僕は新宗教の動きを見ているようだ。世界平和を目指す教団は、なんらか国際的な活動に手を出す。創価も天理も、大きな教団はほぼ海外の拠点を持っている。ハロプロをひとつの宗教団体だとするなら、今回の件は非常に分かりやすい勘違いである。アイドルを追っかける時点で勘違いもいいとこなのだから、今回の勘違いは大した問題じゃない。みんなで心地よい勘違いをしようじゃないか。しかし、これまでわざわざやっていた海外ツアーの口実がこれからはしっかりできてしまって、僕らにもいっそうの覚悟が要求されるぞこれ。
もうひとつ、アメリカナイズされた文化への抵抗という側面。「10人祭」に顕著に表れた、外国文化かぶれへの抵抗の流れ。「中心 ⇔ 外部」っていう視点っていつでもつんくにはあった。「都市 ⇔ 田舎(訛り)」「欧米 ⇔ 日本」「関東 ⇔ 大阪(弁)」「長所 ⇔ 短所(にこそ魅力があるよ)」みたいなアンチテーゼ。英語の歌詞を分かってないのに歌うくらいなら、中国語の歌詞を歌おう。新曲に中国語でも入れればいい。イスラム語でもタミル語でもウルドゥー語でもエスペラント語でも、知らない言語の歌を歌ってしまえばいい。いやいっそのこと、一曲くらいは何語かも分からない、何も意味しない歌を歌えばいい。
いずれにしても、娘。に一推しがいない状態でよかった。ちょっと刺激的過ぎますよ。李純銭琳ですか。果たして成功するや否や。アジア展開って、一体どんだけファンがいるというのかね。木を見て森を見ずにならなければいいが。ん、李純銭琳、木と林だけで、森を見てないではないかッ!