遍在する自己

ひょんなことから、ハロプロ系総合サイト「娘。楽宴」の掲示板に、自分の名前があることに気づく。
1月18日付、ハロモニの視聴率に関して書いた日記が勝手にコピペされて掲示板へのコメントかのようになっている。ちゃんと名前も「斧屋」になっている。
2ヶ月も前のことだから、いまさら「これ僕じゃないです」てなことを言ってもしょうがないのだが、なんとも釈然としない。しかもそれに対して好意的なレスもあれば、その掲示板を観測している掲示板のほうで叩かれてもいる。これ、一体誰(何)とコミュニケーションしていることになるんだろうか。
ただ幸い(?)なことに、正確にコピペされているようだし、「斧屋」という名を騙って勝手なことを書いているわけではないので悪質ではない。でもだからといってそこに貼られているテキストに「斧屋」という名前がくっついていることには釈然としない気もする。
自分の与り知らぬところで事態が勝手に進んでいるおそろしさ、という点で「テキストはアイドルに似てる」というようなことを去年書いた。アイドルイメージもテキストも遍在しうるのだ。そして膨張したそれと自己をなんとか整合させようとするとなんともつらいことになる。
ところで、これと視点としてちょうど対照をなすものが「久住小春メール」の受容の仕方である。本当に久住が打っているんだろうか、いーやどうせおっさん(こっさん)が打っているに違いないという疑念。もちろんアイドルへのコミットの仕方はポジティブでもネガティブでも構わない。どちらにしたって楽しめる。そこでは真実を知っているか知っていないかではなく、信じるか信じないかが問題になる。
うーん、でもやっぱりこんな遍在する自己には新たに名前を与えたい。本名で活動するアイドルの負担。それはほとんど虚構のキャラクターなのだから。ネット社会でハンドルネームがなぜ必要とされるか、よく分かる。