ガッタス紺17夜

青年館にギリギリ駆け込んだ。
残念ながら、なのか、完全に夢中にはなれない。それは推しがいないから。
「娘。=℃-ute」論をかつて書いたが、「娘。=ガッタス」論も可能ではあろう。いしよし―エッグの「縦ライン」が家族的な関係を思わせるところや、是永あたりが何でアイドルやってんの?と突っ込まれそうなところなんかがいかにも2000〜2002年辺りの娘。の雰囲気を感じさせるからだ。
最前ですらヤフオクで大した高値にならないような、まだ黎明期と言える段階の現場はとてもごった煮的雰囲気があって面白い。もちろん僕らはそれをどう楽しもうが勝手であるのだが、どう楽しもうか、という試行錯誤が次第に統一感を帯びて、それが現場の独特な文化として形成されていく動態が感じられて非常に心地よい。
僕は結局多忙でアルバムすら聞かずに言ったので、個々の曲を楽しむ、というよりはライブ全体の空気を体で感じる格好となった。ガッタスは確かに熱い、と思う。色合いの違うメンバーの集合が、意外なハーモニーを奏でる、という印象。それはちょうど彼女達の衣装のようだ。ポテトチップみたいな形のスカート(?)はマーブル模様になっている。いろんな色が混じったポテトチップに僕らは手軽に手を伸ばす、という寸法だ。まさに娘。イズムではないか。
個々のメンバーの印象。真野とのっちはどうだろうかと思って観に行ったようなものだが、のっちの声の包容力、そして真野が意外にもよくしゃべれていることには感心。まだまだ発展途上ながら、この二人には今後も注目したいと思う。二人の衣装が二人の特長をよく表していて、真野はホットパンツ、のっちはゆるい衣装。のっちにはピカチュウの着ぐるみでも着させたいと思った。いずれにしてもここで思うのは、ハロプロアイデンティティはアンチおっぱいっていうことでいいんじゃないのか、ということだ。「心の谷間」を歌う真野と能登には、身体的な谷間など断固不要なのだ。
ただ、一番惚れたのは吉澤のかっこよさ。もはや完全に男。ジャニーズか、それとも宝塚か。立ち居振舞いが女性アイドルじゃない。そしてそれがかっこよすぎる。格の違いを見せつけられた。そこに石川が絡んでくるいしよしカップリングは鉄板だ。会場の女性ヲタはいしよしの絡みを見に来ているのだろう。武藤、仙石はおもしろい存在だと思う。仙石は亀井の方面なのかなと思う。
ガッタスの曲は「やったろうぜ!」と「恋のベル」しか知らない。だが、その2曲だけでも聞きに行く価値があると思う。「恋のベル」の時の会場の熱狂は尋常でない。さすがにこの曲では僕は熱狂の渦に飲まれて客観性をかけらも保てなかった。スーツでなければもっとはっちゃけたのだが。「お先にすんずれい」は初めて聴いたが、予想通り。アルバムにはこういう遊びの曲があっていいし、ライブで生きる曲だと思う。娘。で言えば「アディオス BYE BYE チャッチャ」だったり、℃-uteであれば今度のアルバムの梅さんの曲にあたるものかな。
関東がこれで終わりと言うのはもったいない。もちろん集客面の計算ができない中での実験的なツアーではあるのだろうから仕方ないけれど。また今後のツアーにも大いに期待したいと思う。