音楽戦士「うちのアーティストを宣伝させてよ PRタイム争奪!クイズバトル!!」

℃-uteの宣伝をするために中澤姐さんと美勇伝の岡田・三好が出てくるという「事情」も気になるけれども、AKB48も同時に出演していて、結構おいしいところを持っていったのが気になる。ただこうしたアイドルによるクイズバトルが、珍解答こそがバラエティにおける正解、のようになってしまうのはどうかと思った。珍解答では明らかにAKB48の勝ちなのだが、それって安易なバラエティだなあという思いもある。最近の娘。と「うたばん」の関係でもそうなのだが、MCがアイドルのことをよっぽど好きか、知識を持っているかしない限り、アイドルの魅力を伝えるのは難しい。じゃあクイズで珍解答、というのはハズレは無いにしても、創造性のない番組作りではないかなあ。そうやってバカな(だけど容貌と肉体だけは立派な)アイドルというイメージづけをすることは、結局女性アイドルというものを上から下目線で見るもの、と規定してしまう危険があるし、現実的に女性アイドルとはそういうものになってしまっている、たぶん。
そうじゃなくて、アイドルはキラキラしているものなのです。そのキラキラは、その当人の無能・無知さで際立たせるようなものではないと個人的には思う(辻加護級であれば素晴らしいとも思えるけれど…)。
もっとポジティブにアイドルをアピールできないもんか。


ところで、最近の脳トレブームにしろ、テレビのクイズ番組――例えば「〜雑学王」みたいな――を見るにつけ思うのは、結局のところ「頭のよさ」が単に知識量という単純な尺度に押し込められてしまうのではないかということ。一問一答形式の問題にどれだけ正答率よく答えられるか、というような安易さにおいて、「頭のよさ」もひとつの流行として――要はダイエットと同様の消費の動機付けの一形態として――消費されてしまうような気がする。そうした流行の中で、クイズ番組で珍解答を続出するアイドル(タレント)は、視聴者を相対的に安全な立ち位置に収めてくれるのだろうが、それを見て安心している自分たちが実はマスメディアからなめられているというような構造。そんなことを言えば、消費というのは常にそうなのだろうが、創造性のないものに安住することの軽率さには僕は敏感でありたい。