コメント力

12月11日発売の公式写真「メリー ! X'mas 2007」。
モーニング娘。美勇伝メロン記念日Berryz工房℃-uteそれぞれのクリスマスにちなんだコメント付き写真である。
アイドルが発する言葉というのは、ある掟にしたがっていなければならない。だけれどもその制約の中でいかに自由に表現できるか、ということこそが真価である。決まりきったコメントが溢れる中で、どのように「自分らしさ」を表現できるか。こんなところでもハロメンの力は試されている。
例えばなっきぃのコメントはこうなっている。
「メリークリスマス 良い日を過ごしてください」
…まだまだ弱いのです。いや、かわいいんだけど、コメント力は弱いのです。「良い日を」のところが不器用でつんくの歌詞にも出てきそうな感じなのです。ここらへんは文化祭でも結局優等生的発言しかできていないなっきぃの堅さが表れてしまっている。もちろんその堅さゆえにナレーションを任せられるという部分もある(僕がなっきぃと矢口を似ていると感じる部分だ)ので一長一短だが、クリスマスのコメント、という点ではまだまだ「アピール」できていないのです。
他のハロメンも大方、ヲタに良いクリスマスでありますようにと呼びかけるコメントを寄せている。つまりハロメンもヲタも人間界の同一平面上にいる前提でのコメントなのである。そんな中、何名かアイドルとしての「正解者」が存在する。
まずは亀井である。ヨーマ氏のエントリを見ていただければ分かるが(http://d.hatena.ne.jp/yomayoma/20071213/p1)、「今年のプレゼントは絵里....だよ」。自分がプレゼントになってしまう、という作戦である。これは強烈。たぶんこれがアイドルとして最も適当な解であろうと思われる。
クリスマスが、一般に「プレゼントをもらえるイベント」として捉えられるなら、プレゼントをもらう側、プレゼントそのもの、そしてプレゼントをあげる側、という3者を想定することが出来る。別解としてここで出るべきは、アイドルがプレゼントをあげる側(サンタ側)になるということだ。この発想をしたのが2名。キャプテンと、やはり嗣永プロであった。
清水佐紀クンの答え(平成教育委員会風に)……「佐紀カラのプレゼントだよ」。
なるほど。しかし嗣永プロの徹底ぶりを見てしまうとキャプテンすら霞んでしまうようである。
嗣永桃子クンの答え……「ステキな聖夜をお過ごし下さい。桃から『HAPPY』プレゼント 受けとって下さい ももサンタより」
なんて手を抜かない子だろう。ももちはアイドルってのがサンタだってことを本当によく分かっているのだ(2つ前の日記で丁度そう書いたのだった)。さらに丁寧なことに、コメントの下には桃がサンタ帽をかぶった「ももサンタ」が描かれているのだ。このプロの仕事振りに、やむを得ず思わず僕は桃子の生写真を初めて買ってしまったのだ。


とは言えもちろん僕は、なんでもかんでもコメントは面白いものを書け、と望む気はない。なっきぃにこれを今望むことは出来ないだろうし、例えば芸人が常に「なんか面白いこと言って」という圧力に晒されるように、常にアイドルとしての正解ばかり求めてもしアイドルが自分自身を偽りすぎるようなことがあってはならないと思う。(たぶんももちはそれが自然に(ストレス無く)出せるからすばらしいのだ。)なんでもかんでも空気読め、では窒息してしまうから。だからコメントは得意なメンバーが自分を出せる場であればいいし、ただ、アイドルがなにも表出しないでいることはできないから、苦手なメンバーにとっても自己表現の練習として使われればいいと思う。
だってまあ、写真はつまるところ、かわいければいいじゃん、だから。
なっきぃの写真を8枚買ってしまった。これが習慣化することが、すこしこわい。