恋したヲタをいたぶる笑みが見える舞台。ヲタヲタしい子!

『私が演じる「ふう」は、とってもマイペースで自由気ままに生きてるって感じの子なので、見てホワ〜ンってなってもらいたいです(笑)』(パンフレット:嗣永桃子コメントより)
「見てホワ〜ン」。この子は「萌え」ってものを、「ヲタ」ってものをよく分かってるんですね。
僕も、ステージ上、一番目が行ってしまったのが嗣永だった。なんかふらふらしてた。柱に手をかけて何度もぶらぶら揺れてた。ふわふわしてた。ふわふわふぅだ。
それが妙に気になった。いるだけで作品になるっていう点で、ああ嗣永は天性のアイドルなんだ、と思った。
嗣永に関しては昔から、「顔のパーツがどこかないような不足感」を感じていた。これは悪い意味じゃなくて、ある種の輪郭のアイドルの顔についてよく思うことなのだが(例えばあややの顔にも少し感じる)、その不足感がまさにそのアイドルの魅力であるようなものなのだ。嗣永にしても、笑ったときなんか特に、顔のバランスがなんか変な気がするのだ。で、それが嗣永なんだなあと思う。その完成されてなさ、自足してなさ、未完了な感じがいいんだろうと思う。要はヲタの側で嗣永の最後のパーツを埋めてやらなきゃいけないんだ。
正統派美少女だったら熊井だと思うんだけど、ハローのアイドルという点では嗣永のほうが「らしい」と思わせる。
アイドルって、なんていうかな、「ほっとけない」と思わせなきゃダメだな。ヲタの側に、アイドルへの執着をなんらか起こさせること。「なんか変だ気になる」でも、「付き合いたい」でも、「殴りたい」でもいい、それに対してコミットしたくなるような感じ。今日の嗣永を見て、埋めなきゃいけない「夢のかけら」が僕の心の中にあるんじゃないかっていう気もしたのです。
いや、推しません。でも、今まで死んでも使わなかった愛称を使ってもいいと思えるくらいには僕は嗣永のことを評価できるようになりました。