このままがいい…?

日曜のライブ雑感なんですが、うーん、メリピンメリピン
やっぱりメリピン(「わ〜 MERRY ピンX'mas(重ピンク/こはっピンク)」)でしょうねえ。http://d.hatena.ne.jp/onoya/20060322/1143052425 でも書いてますが、「マ行」の力・「ラ行」の力を感じます。「ピ」もまあ「マ行」みたいなもんです。
「年齢(とし)とりたくない」「このままがいい」「イヤン イヤン」
虚構空間に自閉する、いかにも「DD」的な萌えの世界観が表現された名曲です。
僕は「レインボーピンク」級の曲は無理だろうと思っていましたが、すばらしかった。
春紺では「レインボーピンク」を聞いて頭を抱えましたが、今回は、「…死ね」とつぶやいてしまいました。「死ね」という賛辞です。ぶんなぐりたくなります。そうなりたくてまた石川まで行くんだ、やはり。
「萌え」って、もともとはそんなアンビバレンツな感情だと思うのだ。気持ち悪いんだけど、惹かれるっていう。ぶん殴りながら抱きしめたいような、踏みつけたくも跪きたいような。「萌え」の発生時って、そんな強い否定と肯定の感情が同時に起きていると思う。それが、次第に肯定のみの感情だけが残る。それもまた、「萌え」と呼ぶ。そこがなかなか難しいところで、広義の「萌え」、狭義の「萌え」とでも言おうか。ただ、僕は「萌え」の定義の中に絶対に「性的な欲望」は含めたくない。それをいれると、わざわざ「萌え」の語を使う意味がなくなってしまうし、自分の感覚としてやっぱりそれはないだろ、と思う。
虚構に閉じて、現実的には欲望できない欲望、が「萌え」だと言いたい。だから、これは多くのヲタに納得してもらえると思うが、辻とか紺野とか道重とか、今は久住とか、アニメのキャラに親和性を持つようなメンバーにこそ「萌え」という語が使われれやすい気がする。(僕の主観的な印象です。反論もあるかもしれませんね。)「辻と結婚したければ、僕は加護になるしかない」とか、過去に冗談のようなことを書いたけれども、やっぱりこれは冗談じゃない。「萌え」ってのは現実的には欲望できない欲望である。「マジヲタ」はアイドルと現実で結ばれることを夢見るかもしれないが、「DD」はむしろ虚構の世界に自分が入っていく、たとえば、コスプレなんかしちゃったりして。そうやってなんとか、「年齢をとらない」「このままでいられる」世界に自足したい。そうでなきゃ「イヤン イヤン」なのだ。
そんな、虚構の世界に閉じる「萌え」世界を表現した曲、つまり同質的な閉じた世界、最近の議論では「道徳の可能性に開かれていない世界」を感じさせる曲が多くなってきたな、と思った。
セットリストの中では以下の曲はそうした「萌え」曲といっていいだろう。いかにも萌え曲であるという歌詞をカッコ内に示します。「バラライカ」はアニメの曲ですが、メリピンに準ずるくらい強烈でしたね。

★「萌え曲」
涙が止まらない放課後ロミオとジュリエット
・わ〜 MERRY ピンX'mas
恋ING
・色っぽい じれったい(SEXY ISLAND)
SEXY BOY〜そよ風に寄り添って〜
恋人は心の応援団
バラライカ


一方、僕はハローのアイデンティティってのはもともと恋愛の中に巧妙に倫理的な要素を隠しこむことだと6年前に考え始めた。倫理的な要素ってのは、具体的には「世界」「日本」「平和」「親」みたいに、「二人の間の閉じた恋愛」の外部となるようなものである。自分にとって操作可能であったり、自分が好きなものではなく、操作不可能な、自分にとってどうにもできない、時に自分にとって敵であったり好ましくないものであったり、ともかく自分の範疇を超え出るもの(空間的に捉えれば、「日本」「世界」「地球」「宇宙」という語になろうし、時間的に捉えれば「世代」「歴史」という語になろう)があってこそ、それと折り合いをつけるための道を模索することになる。それをまあ「道徳」と言ったり「倫理」と言ったり、ときに「宗教」という言葉で表現したりする。ハローはそんな風に恋愛の歌詞に外部の視点を取り入れることで、倫理への可能性を開いているということを僕は確信している。今回のライブでは以下の曲はそういう部類の曲と言っていいだろうと思う。(外部視点となる歌詞をカッコ内に示す。ただたまたま歌詞として出てきただけ、というのではなく、意図を感じるもののみ示した。)

★「外部を取り入れた曲」
・TOP 「日本」「世界」「歴史」
ハッピーサマーウェディング 「父さん母さん」
・THE マンパワー!!! 「地球」「自然」「お天道様」
・チャンス チャンス ブギ 「家族」
・「すっごい仲間」 「時代」「世代」
ラヴ&ピィ〜ス!HEROがやって来たっ。 「平和」「文化継承」
・HOW DO YOU LIKE JAPAN?〜日本はどんな感じでっか?〜 「日本」「世界」「自然」「国民」
青空がいつまでも続くような未来であれ! 「地球」「歴史」「少しだけどこの私も一部だわ」
・歩いてる 「世界」「切に平和願う」←記憶不確か
・そうだ!We're ALIVE 「平和」「父ちゃんも母ちゃんもみんなみんな」


だんだん「萌え曲」の存在感が増してきたのかな、と思ったり、でも今回絶妙なバランスのセットリストなんでないか、と思ったり。おもしろいですよ、この秋紺も。さて、石川確保へ動くか。
…「24」が面白すぎて、日記に時間がかかるなあ、ここ数日。