恋愛消費社会

電車の吊り広告の、女性向け雑誌の見出しを見て苦笑する。
肌でキメルだとか、
目元がどうだとか、
誘うクチビルだとか、
タイヘンですね。


まつげを食虫植物のように尖らせながら、
獲物を狙う目つきのモデル。


恋愛で成功することが、人間の幸せなんだってさ。
おー、それ、分かりやすい。
分かりやすい教えが、いつもみんなに支持されるのだ。


そいでね、恋で勝ち組になるには、
これ、絶対必要。
先週、ダイエット。
今週、オーラ。
来週、グッとくる言葉。


そういや、「おもいっきりテレビ」では
みのもんたが得意げに毎週脅し文句を並べ立てるが、
そこから導かれる結論は、
『どんなものも、体にいいこともあれば、悪いこともある。』
情報量が多いほど、そこから分かることは、逆に少なくなる、ということがある。
ただ、視聴者は次の放送までは、今日の放送を基準として生活ができる。


そう、女性誌は指針を与える。
次の号までの宿題。
「次号発売までに、これとこれをしておこうね。」
で、最新号が発売されたら、前のことはきれいさっぱり忘れていい。
忘れたころに、また教えてあげるからね。
そんな形で、際限なく消費は続く。


理想は高く持とうね。
幸せになるためだよ。
…そう簡単に幸せにならせないためだよ。
巧妙なワナ。
もはや、誰が仕掛けているのかさえわからないワナ。


…降りたら、負け組だよ。


あーもう、うるせえなあ。
…死ねばいいのに。