東京新聞「岐路に立つモー娘」

んなことわかっとるわいな。
法政大教授稲増龍夫の「よくここまでやった。もう十分使命を果たしたのではないか」というコメントはいかにも稲増らしいと感じた。アイドルの栄枯盛衰を見届けるのが好きな感じだからね。稲増先生はひとつのアイドルに没入することはないんだろう。
それにしても、ここでいう「使命」とはなんなのだろう。「使命」という言葉遣いも稲増らしいが。
アイドルの死滅した90年代後半に、「ビッグアイドル」として降臨するのが使命なのか?そうだとすれば、娘。は確かに立派に使命を果たした。そして4年前にその使命は果てた。一般での人気をせいぜい01年までだとするなら、「使命を果たした」というのは当たり前であって、今さら言うべきことではないように思われる。
だがこういう言い方ができてしまうのは、いまだに娘。がメジャーアイドルとして存続できているからだ。一般からは見放された後、4年間もメジャーでいられ続けている。


ヲタはしばしばこう問う。「娘。の一般人気を取り戻すにはどうすればいいか?」
しかし、アイドルが生きにくいこの時代に、一時でも社会現象になったということが異常なのである。そして娘。は、一般の人気がなくなって4年間も、アイドルを続けている。
我々はこう問うべきだろう。「なぜ娘。は存在しつづけられるのか?」
ヲタはなぜ娘。世界から離れないのだろう。人気が落ちたと言われながら、しっかり事務所が儲けているのはなぜなのだろう。
ヲタがヲタで自足しているように見えるのに、なぜ一般での人気(あの頃の人気)を求めるのかも興味深い。ヲタの肩身の狭さからくるものなのだろうか?


今の状況が、後藤加入時と似ているという声が多い。
確かに、よく似ている。
ただ、決定的に違うのは、そのブームを経て、今があるということだ。
一度ブームをすぎた存在が、また人気を生めるのか。そういうことがありうるのか。
いずれにしても、それは久住小春と事務所次第ということになろう。
個人的には、結構面白いことになってきたかなと思っているのだ。
ヲタの中でも、まんざらでもない空気感が漂っているような。
あとは、つんくの曲に期待。


事務所が「モーニング娘。は永遠」だと考えているなら、モー娘。を宝塚みたいにしたいのだろうか。親子で見に行くみたいなことにしたいのだろうか。
我々をそんな夢の娘。世界に永久に住まわせてくれるというのか。
だとしたら久住さん。あなたの加入はとても意味深いのです。