昔の思い出

なんか思い出したことがあるので書いてみよう。
もう昔のことだから言ってもいいだろうし。
中学のイベントでスキーに行く行事があった。
「スキー学習」だっけ、名前は忘れた。
3日くらいの日程でスキーの基本を習うわけだが、最終日、最後の講習を前にして、男のインストラクターへの挨拶を練習する女子のグループがいたのだ。
5人くらいの女子グループが、男のインストラクターになぜだか知らないが英語でお別れの挨拶をするべく練習していたのだ。
リーダーと目される女子(いまだに名前を覚えている)が、私がこう言うから続けるんだよ、みたいな感じで練習している。習いたての英語を使いたがるのは少し真面目な生徒のよくやることだが(それに対する羞恥心がないだけまだ頭が足りない気もする)、そのセリフを、僕は覚えている。


「I miss him too.」


それに続けて、みんなも「I miss him too.」って言うんだよ〜・・・
miss(〜がいなくてさみしく思う)って授業で習ったばかりだったなあ、多分。
なんで10年近く経っても覚えているかといったら、もちろん徹底的に間違った文だからで。
Weだとか、youだとか、too。あーもう直しどころたくさん。
当時の僕はその愚かさを笑うために、自分の記憶にこのセリフをとどめた。


だけど、その思い出がなんだか今の自分には違って感じられる。
それは、今の自分が子供を横からの目線で見ないからだ。
ただただ、その一生懸命さがなんだかまぶしい。
僕は今それを正視できない、多分。
なんだかうらやましいような恥ずかしいような、複雑な気分になるから。
「愚かでも一生懸命であることの価値」を僕はここ最近に学んだ。最近4年でだ。
それはたまたま「ヲタ」によってだったが、それでもあまりにもニヒリストだった子供時代より僕は成長したと言いたい。
子供の無垢さを僕は早い段階で失い、妙な形で利口になったのだったが、それを遅ればせながら取り戻したのだ。
こんなことはあんまり真面目に語るようなことでもないだろうが、なんだか今日強烈に思い出が蘇ってきたので記す。
要するに言いたいことは、子供っていいなあと思う、ということ。
そして、そう思っている今の状態が悪くない、ということだ。