グランド・フィナーレを読み終える

阿部和重の文章はとても読みやすい。
難しい言葉が出てくるわけではなく、
時にやわらかく、時にかたい文章がなんか好感を持てる。


さて、モチーフとなった元モーニング娘。の二人とは、まあWのことなんだが、実際読んでみると、あからさまにそう思えるほどでもない。
書評を書いた人間が、阿部がハローを好きな人間だと知らずに読んでWだと気づいたんなら結構鋭いかも。まあヒントは多少あるんだけど。
(インタビューでは阿部はWに似てるのは「たまたま」と言っているみたいだなあ。
書評を書いた人はハローのファンであることを知っていたのかもなー)
二人の名前が鴇谷亜美と石川麻弥。
「鴇」はトキのことで、阿部の「ニッポニア・ニッポン」の主人公の妹が亜美ということなので、しょうがねえ、そっちも読むかあ。
亜美と、石川麻弥って、ヲタっぽい名前だよね。
120頁「双子みたいな…」のくだりを読むとWを意識していると感じられてしまう。
でもセリフの言い回しは似てないな。当たり前だけど。


現代のコミュニケーションの問題とか、
ロリコンの問題とか、いろいろつまって面白いんだけど、
こういう小説って終わり方がよくわからんのよね。
文学研究でもしている立場ならなんか言えるんだろうけど、
タイトルの「グランド・フィナーレ」にこめられた意味もいまいちつかみきれず。
もう一度読み直してみるかな。