AKB48 19thシングル選抜 じゃんけん大会

火曜日のことですが、レポをとりあえず書いておいて、考察は後に。


娯楽道で2000円。武道館の2階北T列。
直前に公式ガイドブックを買うも、時間ギリギリでほとんど読めず。
じゃんけん大会で武道館が埋まる、という確かにわかりやすくすごいイベントだった。AKBの客層はどうかと思っていたら、中高生の割合高し。コスプレではないであろう制服姿もかなりいた。おそらくそんなにファンではないような一般層もそれなりの数来ていたように見える。2000年前後には、ハロプロでもそうした客層を抱えていたことだろう。印象論だが、万単位で人を集める場合、アイドルファンではない、流行を追う一般層が必要になるのではないかと思う。
これほどまで人波で入場に苦労するようなイベントに最近行ったことがない。開演15分前にまだ武道館に入る階段で人波に揉まれていた頃には、ひょっとすると開演に間に合わないのではないか、と心配したほど。入場すると、東西南北に向けて大きなスクリーンが設置されている。ステージは円形、中央にじゃんけんをする場であるところの卓。
そして開演。何かの曲とともに、会場全体のMIX。進行役として、ジョン・カビラ。「全てが真剣勝負」、「1万1000人」の観客、全国「42のスクリーン」で同時放映ということが語られる。その後、格闘技選手の呼び込みのような呼名とともに、各々の衣装に身を包んだAKBメンバーが入場。ナレーションで選手の紹介。これが50分ほど続く。
その後レフリー山里(南海キャンディーズ)と、ジャッジ4人(劇場支配人戸賀崎氏など)が入場。山里に対しては始めブーイングが出ていたが、今回のイベントに関して山里が厳粛な雰囲気で語りだすと、場内の空気が変わる。AKBは国民的アイドルであること、今回はそのアイドルのセンターポジションを決めるイベントであり、その意味は非常に重大であることを語り、「どんな結果が出ても、どうかどうか暖かい拍手をお願いします」と観客にお願いする。その間、それを真剣な表情で聞くメンバーの表情がスクリーンに映し出される。場内は一気に「ガチ」の空気へ。
さて、本番に入る前に、じゃんけんの練習試合をするということで、唐突にアントニオ猪木が登場。会場は猪木コール。山里に闘魂を注入し、猪木と山里のじゃんけん練習試合。猪木が勝ち、お決まりの「1.2.3、ダーッ!」をやって退場。
このあと、じゃんけんのルール説明がナレーションとスクリーン上でなされる。簡単に言うと、1.掛け声とともにおこなう(最初はグーはなし)。2.じゃんけんの前に「グーを出す」等のマイクパフォーマンスは可。ただし脅迫は無し。3.腕に装飾品はつけてはいけない。4.チョキは、人差し指と中指を開いたチョキにする。5.後出しはビデオ判定をおこなう。ちなみにレフリー山里が競技者の手と手を合わせ、勝負を見極めるが、四方にジャッジが座り、後出し等不正がないか赤白の旗をあげて判定をする、という形でおこなわれた。選抜メンバー入りの確率は31.37%。センターになる確率は1/51。ジョン・カビラの大仰な煽り言葉が響く。「じゃんけんのみで人生が決まる!」。……カイジか。
じゃんけん大会自体は、意外とさくさく進行。選手2人が中央で、手を合わせ、掛け声とともにじゃんけんをし、勝者の側に「WINNER」の電光掲示が光り、スクリーンにはリプレイが映し出される。ほとんど誰も見ていないと思うが、ジャッジ4人は正当な勝負である証明としての白旗を律儀にあげている。負けた方は規定の場所で短いコメントを言って去り、その映像がスクリーンに映し出される。基本的にはそれは相手を称え、勝ち上がってくれることを望むというお決まりのものだ。ところで、このイベントの見どころの一つとして、人気メンバーが果たして勝ちあがれるのか、選抜メンバー入りできるのかということがあったわけだが、当たり前といえば当たり前だが、1回戦からどんどんと人気メンバーが敗退していく。当然これを見越して、山里の「どんな結果が出ても…」という発言があったわけだが、実は人気メンバーだけは、負けた際に自分でマイクを持って感想を述べる特権が与えられていた。そういう意味では、これはメンバーに対して完全平等のイベントではなかった。イベント運営としては当然の策だとは思うが。指原が大島優子に勝ってしまった時、指原は泣いて土下座するのだが、その後大島が指原を応援する発言をして丸く収まるなどする。ヤンキーか、プロレスか、と思う。
イベント中盤、カビラが「あなたの推しメンは生き残っていますかー!」と言うも、自分には推しメンはいない。それどころか、知っているメンバーすらどんどんいなくなって、堅いイスに尻も痛くなってきた。じゃんけんはさくさく進んだが、それでも、ちょっと長かった。
選抜メンバーが確定した後、SDNのメンバーが登場し、メンバーへのインタビュー。そして勝者予想などし、いよいよ選抜内の順位を決定する試合が行われる。ただ若干それまでが長かったせいか、このイベントは徐々に盛り上がって最後にドッカン、というよりは、途中で観客の方もボルテージの燃料切れを起こしたように思う。自分の左隣の客は、途中まで一生懸命「じゃーんけーん!」って掛け声出していたが、だんだん声が小さくなって、声の出だしも周りにつられてようやく出すようになっていた。
さて、決勝が石田晴香内田眞由美という組み合わせになり(自分はその両方とも知らなかった)、人気としては圧倒的に石田>内田という状況で決勝を迎える。後ろから「やばっ、はるちゃん全力で応援するしかない」という切実な声が聞こえてくる。決勝の選手紹介、圧倒的に石田への声援が上回る。そんな状態で内田が勝利。とはいえ、会場は予定調和の暖かな雰囲気に。
秋元康がじゃんけんトロフィーを贈呈し、ファンに対しコメント。AKBはみなさんの応援で成り立っています。今回良かったことは、平等に選ばれたこと。メンバーは、じゃんけんぽんと、ファンの方が背中を押していることを思い出してがんばってほしい、という言葉。それからジョン・カビラか誰かが、「子供の頃から、じゃんけんはいつも完全平等でした。」と言い、山里は泣きそうな感じで何か言った。そして高橋みなみ大島優子が放送席からイベントの締めの言葉を発する。高橋は内田の優勝に対し、選抜になりたいという強い気持ちでこういう結果になったと言い、大島は熱くなれることはすばらしい的なことを言う。
その後、18枚目のシングル「beginner」のビデオクリップの放映。中島哲也監督のコメントでは、「血の通っていないキャラクターが、いかに人間として再生していくか。そのきっかけとして「痛み」があるのではないか。」とあったが、メンバーの体が見るも無残な姿にされていく刺激的な、攻めたビデオで、非常に面白い。大きな話題になるだろうと思う。
最後にライブ。やはりMIXはAKBのライブの一部となっている。文化として完全に定着しているという印象。その点で、あの場にいて嫌な感じはしなかった。ライブを見ていて、AKBの学校感について思う。AKBは制服、学校、青春という感じがする。ハロプロと、そこで雰囲気の違いを感じる。ライブの終わりにもう一度メンバーから感想が述べられる。AKBは、全てを楽しむことが大事、とか、こういうの(じゃんけん大会)を本気でやるAKBってすごいな、とか。
じゃんけん大会のハイライトがスクリーンに映し出される中、人に揉まれて会場を後にした。5時半開始の、終了はほぼ9時。ちょっと疲れた。


以上のレポを元にして、いろいろ考察したいと思うのだが、また後で。