ファン100人規模のアイドル現場

日曜にYGAよしもとグラビアエージェンシー)、そして今日「小桃音まい」の無料イベントでISHIMARU SOFT 本店 7Fホールに行ってきた。規模としては100人程度のイベントであった。前方に椅子があり、後方はスペースが空いていて、騒ぎたい客は仲間同士後ろで盛り上がるといった感じ。
両者の現場ともに、例えばハロプロなどこれまでのメジャーアイドル現場の文化と遠いものではない。ただファンの秩序、年齢層など微妙に違う。YGAのほうは日曜の無料イベントということもあってか、若くエネルギッシュなファンが多い印象。メンバーのMCも無視して騒いで「聞いてますかー?」と言われるほど(これはお約束という感じはしなかった)。推しジャンプやMIXもかなり激しく行う。「小桃音まい」のファンはそれよりは年齢層が高い印象。平日夜ということで、仕事帰りの社会人がほとんどか。女性客も少数。着席した客はおとなしく見る人や、ロミオを右手左手交互に行う人。後ろではMIXやふりまね。
アイドルの自己紹介について。YGAはおなじみらしい自己紹介をファンとの掛け合いの中で行う。「小桃音まい」イベのゲストで出演した「DokiDoki☆ドリームキャンパス」も、定型としての自己紹介。やはりアイドルグループにおける自己紹介の重要性を感じる。ただ、その定型があまりに進みすぎると、初見の人間には何を言っているのか分からなかったりもする。
小桃音まい」のパフォーマンスは、ゲストで出演したアイドル(DokiDoki☆ドリームキャンパス、Rizumu)より確実に際立っていた。声の特徴、そしてダンスのキレ(過剰さ)において、やはりそれなりのオーラを持っている。とはいえ、ハロプロ等メジャーな現場をずっと見てきた身としては、パフォーマンスの質ではメジャーのほうに分がある。それを補うだけの勢いと距離感で勝負するのがこうした現場、ということだろうか。
2つの現場を見て感じたことは、アイドルソングは、(もちろんバラード曲をはじめ例外はあるにせよ)かなり定型的につくられていて、それに対してファンが定型的な対応(ヲタ芸・MIX・コール)をできるようになっているということ。MIXにはじまり、適度にコールをいれ、PPPH(最近は手を叩かないで「オーッ!」って言うけど)のリズム、二番の前にもう一度MIXが入り、終盤にロミオを入れて、最後に盛り上がって終わり。こうした曲の定型性に目を向けた時に、果たしてそれぞれのアイドルがいかに自らを差異化付けていくのかということが困難になっていることを思う。秋元康がAKBからひろげていきたいことというのは、こうした定型性に基づいたアイドルの複製ではないだろうか。それに対する是非は今はなんとも言えない。ただ、私が例えばMIXに対して違和感を持つのは、そこにアイドルを十把一絡げに扱う暴力性を見てしまうからではないかと思う。そしてその暴力性が結局は自分にも跳ね返ってきて、困るのだが。